CASE RECORDS of the MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL.
Case 3-2016. A 9-Year-Old Girl with Intermittent Abdominal Pain.
N Engl J Med. 2016 Jan 28;374(4):373-82.
Guglietta PM, Moran CJ, Ryan DP, Sagar P, Huck AE.
2016年2月3日
その1
かば:9歳の女の子、という時点で読まないですけど。
かわうそ:まあまあ、そう言わないでちょっとお付き合い下さい。
9歳の女の子で、慢性的な便秘があるんですが、だんだん腹痛がひどくなってくる、というものです。嘔吐もあります。
4歳位から時々腹痛を言っていたらしいです。8歳ごろからひどくなっています。痛みは左側に限局していました。
なにせ経過が長いので本人も家族も大変でしょうね。でも、ちょっと厄介なことに週末より学校にいる時に症状が出ることが多いらしいんですよ。学校の成績はよいようですけど、診察時には不安そうで、少し神経質な性格なのかも、という先入観を持ってしまった可能性は否定できません。
かば:なるほど。精神的または機能的な疾患が頭をよぎりますね。
かわうそ:このあたりが、診断が遅れてしまった原因なのかもしれないな、と思いました。
腹部レントゲンが載っています。全体的にガスが溜まって、上行結腸に便を認めますが、明らかな異常があるとは言えませんでした。
診断がつかないまま、その都度下剤で排便があって腹痛が軽快するというエピソードを繰り返しています。
PPIを試したけど効果ありませんでした。セリアック病などの家族歴もありません。
他に、超音波検査、胃カメラ、血液検査などを行っていますが、腹痛の原因となるような異常は認めませんでした。ヘリコバクター・ピロリ感染も陰性でした。
かば:子どもに胃カメラするんですね。
かわうそ:なかなか想像できないですね。
で、診断はabdominal migraneです。腹部の偏頭痛、というものらしいですが。で、神経内科に紹介されました。
かば:でも、4ヶ月後のフォローなんですね?
かわうそ:経過も長いし、緊急性はないということで…。
かば:でも、4ヶ月後のフォローなんですね?
かわうそ:経過も長いし、緊急性はないということで…。
こんな感じで、器質的な問題はない、ということで、認知療法を行うことになっています。
この次、鑑別診断をがんばって上げているんですが…。
この次、鑑別診断をがんばって上げているんですが…。
その2につづく